生理痛と一緒に頭痛も…女性に多いその原因とセルフケア方法とは?

生理痛と一緒に頭痛も…女性に多いその原因とセルフケア方法とは?

生理中の頭痛…それ、ホルモンの影響かも

女性ホルモンの変化と片頭痛との関係

「生理が近づくと頭が痛くなる」「生理中はズキズキする頭痛に悩まされる」という女性は決して少なくありません。

実際、生理の前後に頭痛が起こる女性は、20代〜40代で特に多いとされており、その大きな要因となるのがホルモンバランスの変化です。

排卵後、女性の体ではプロゲステロン(黄体ホルモン)の分泌が高まり、生理直前にかけて急激に低下します。

このホルモン変動が血管の収縮や拡張を引き起こし、結果として片頭痛や緊張型頭痛の原因となることがあるのです。

生理開始前〜期間中に頭痛が起きやすい理由

一般的に、生理の2〜3日前から頭痛を感じ始め、生理2日目頃までが最も強いという方が多いようです。

これはホルモンの変化に加えて、血流の悪化・むくみ・自律神経の乱れなども複雑に関係しているからです。

また、生理中は睡眠の質が低下しやすいため、寝不足やストレスが誘発因子となって頭痛を引き起こすケースもあります。

自律神経の乱れと睡眠の質の低下も関係

ホルモンの変化にともなって、自律神経のバランスが崩れると、血管の収縮と拡張のコントロールが不安定になり、ズキズキと脈打つような頭痛を招くことがあります。

また、交感神経が優位になると体が常に緊張状態となり、肩こりや首のこりを引き起こし、それが頭痛に波及することも。

このように、生理にともなう頭痛は、単なる「頭の痛み」ではなく、体全体の変化からくる複合的な症状としてとらえる必要があります。

生理中に起きる頭痛のタイプ別特徴

生理にともなう頭痛には、いくつかの種類があります。

原因や対処法はタイプによって異なるため、自分の頭痛がどのパターンにあたるのかを把握することが重要です。

ここでは代表的な3つのタイプを解説します。

こめかみがズキズキする「片頭痛タイプ」

片頭痛タイプの頭痛は、こめかみや頭の片側を中心にズキンズキンと脈打つような痛みが出るのが特徴です。

痛みが強いときは吐き気や嘔吐、光や音への過敏反応が現れることもあり、静かな暗い部屋で横になるしかないという方もいます。

このタイプの頭痛は、エストロゲンの急激な低下や血管の拡張が関係していると考えられており、ホルモン変動に敏感な体質の女性に多く見られます。

頭全体が重い「緊張型頭痛タイプ」

「頭の両側がギューっと締めつけられるように痛い」「後頭部が重く、首や肩もこる」といった症状は、緊張型頭痛の可能性があります。

血行不良・ストレス・姿勢の悪さなどが原因となり、筋肉の緊張が頭痛を招くのが特徴です。

このタイプは、デスクワークが多く長時間同じ姿勢でいる方や、生理中の倦怠感で寝すぎてしまう方に起こりやすい傾向があります。

片頭痛に比べると痛みはやや穏やかですが、長時間続く重だるさが日常生活をじわじわと苦しめます。

吐き気・光過敏・めまいを伴う場合

頭痛に加えて吐き気やめまい、まぶしさに敏感になるといった症状がある場合は、片頭痛が重症化している可能性があります。

月経関連片頭痛(月経関連性偏頭痛)と呼ばれるケースもあり、生理のたびに強い頭痛が起こるという方はこのタイプに該当するかもしれません。

このような症状が定期的に起こる方は、市販薬では対応が難しいことも多いため、専門医への相談を検討してみましょう。

つらい頭痛に日常生活でできる対処法

痛みが強くなる前に、日常生活でできる工夫を取り入れることが、症状の緩和につながる場合があります。

ここでは、頭痛のタイプにかかわらず効果が期待できるセルフケア方法をご紹介します。

静かな場所での休息とアイシング

片頭痛の場合、光・音・においなどの刺激が痛みを悪化させる原因になります。

できるだけ静かな部屋で横になるカーテンを閉めて暗くするなどの環境調整が効果的です。

また、冷たいタオルや保冷剤をこめかみや首筋にあてると、血管の拡張を抑えて痛みがやわらぐ場合があります。

特にズキズキとした拍動性の痛みには、温めるよりも冷やす方が有効です。

カフェインの摂り方|増やす?減らす?

カフェインには血管を収縮させる作用があり、頭痛の初期段階に摂ると効果を感じる方もいます。

コーヒーや紅茶を1杯飲むことで、痛みが和らいだ経験がある方も多いのではないでしょうか。

ただし、カフェインの摂りすぎは逆に頭痛の引き金になることもあります。

普段から多量に摂取している方が急に減らすと、禁断症状として頭痛が現れるケースもあります。

自分のカフェイン耐性を知り、バランスよく摂ることが大切です。

パソコン・スマホ時間と姿勢の見直し

長時間のスマホ・パソコン作業は、目の疲れ・肩こり・首こりを誘発し、それが頭痛へとつながることがあります。

特に生理中は体調が不安定で姿勢が悪くなりやすいため、画面を見る時間を減らし、1時間に一度は姿勢を正す習慣をつけましょう。

また、首の後ろを軽く回す・肩甲骨を動かす・目を閉じて深呼吸など、簡単なストレッチやリラックスの時間をこまめに取り入れることで、緊張性の頭痛を予防できます。

頭痛が毎月続く…受診の目安と診療科

婦人科か、神経内科か、脳神経外科か

「生理のたびに頭痛が出るけれど、受診するほどではない気がする」「そもそも何科に行けばいいのかわからない」と悩んでいませんか?このようなときは、症状のタイミングと重症度で判断するとよいでしょう。

  • 生理周期に合わせて頭痛が出る場合は、婦人科が適しています。ホルモンバランスや月経困難症との関係をチェックしてもらえるからです。
  • 一方、周期に関係なく頭痛がひどくなる・日常生活に支障が出る場合は、神経内科脳神経外科での診察も検討しましょう。

とくに、視界にチカチカした光が出る・ろれつが回らない・しびれを伴うような場合は、片頭痛や脳血管の病気のサインである可能性もあるため、早めの受診が安心です。

生活に支障が出るなら専門医の診断を

「市販薬でその場しのぎしている」「毎月のことだから我慢している」という方こそ、専門医の診断で症状の原因を明らかにすることが大切です。

適切な薬や治療を受けることで、毎月のつらさが軽減され、生活の質が上がることもあります。

最近では、オンライン診療による相談や診察も増えており、通院が難しい方にもアクセスしやすい医療体制が整いつつあります。

よくある質問(FAQ)

Q. 生理のたびに頭痛が出るのは異常ですか?

ホルモンバランスの変化によって起こる頭痛は、多くの女性に見られる症状ですが、日常生活に支障が出るほどなら一度婦人科で相談してみましょう。

Q. 生理痛の薬で頭痛も改善されますか?

鎮痛薬の成分によっては、生理痛と頭痛の両方に作用するものもあります。

ただし、すべての薬が万能ではないため、頭痛のタイプを見極めることが大切です。

Q. コーヒーを飲むと少し楽になるのはなぜ?

カフェインには血管収縮作用があるため、片頭痛の初期段階に効果を感じる方もいます。

ただし、飲みすぎると逆に頭痛が悪化することがあるため、量とタイミングに注意しましょう。

Q. 朝から頭痛がして何も手につきません…

睡眠の質の低下やホルモン変動による自律神経の乱れが原因かもしれません。

まずは環境を整えて休息をとり、それでも改善しない場合は医師の診察を受けましょう。

Q. 頭痛が市販薬で効かなくなってきました

市販薬の常用により「薬物乱用頭痛(MOH)」になることもあります。

毎月の服用頻度が多い場合は、薬の使用を見直し、専門医に相談することをおすすめします。

まとめ|「月に一度の不調」と軽く見ないで

生理にともなう頭痛は、ただの気のせいでも、年齢のせいでもありません

ホルモン変化や自律神経の乱れ、睡眠やストレスなどさまざまな要因が複雑に絡み合って起こっています。

つらさを毎月我慢するのではなく、体の声に耳を傾け、必要なら医師や薬剤師に相談することが、より健やかな日常につながる第一歩です。

自分をいたわるための選択を、どうか忘れずに。

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