生理中・生理前に太りやすいのはなぜ?PMS期の体重変化と上手なダイエット法

生理中・生理前に太りやすいのはなぜ?PMS期の体重変化と上手なダイエット法

1. 生理前・生理中に「太る」と感じる理由

生理前になると体重が増えたように感じたり、食欲が止まらなくなったりする経験をお持ちの方は少なくありません。

これは決して珍しいことではなく、多くの女性が月に一度感じる変化です。

ただし、ここで知っておきたいのは、生理前・生理中の体重変動は必ずしも「脂肪が増えた」ことを意味するわけではないという点です。

実際には、ホルモンバランスや体内の水分量、便通、気分の変化など、さまざまな要因が複合的に影響しています。

つまり、正しい知識を持てば「無理に我慢する」「焦って極端なダイエットをする」といった必要はありません。

ホルモンバランスと水分の滞留

排卵後〜生理前は黄体期と呼ばれ、プロゲステロンが相対的に優位になります。

この時期は、体に水分をため込みやすく、むくみや張りを感じやすいのが特徴です。

見た目のボリューム感は増えますが、これは主に水分変動であり、体脂肪が短期間で増えたわけではありません。

数字に振り回されないために、「生理後のベース体重」を基準点として捉えると変化を冷静に見極められます。

むくみ・便秘による一時的な体重増加

生理前は腸の動きがゆっくりになり、便秘やガスの滞留が起こりがちです。

さらに、塩分の高い外食やスナックが増えると余分な水分を抱え込み、体重は一時的に上振れします。

こうした増減は、数日〜1週間程度で解消することが多く、焦って過度な食事制限に走るよりも、排泄と循環を整える方が合理的です。

PMS期に起こる代謝の変化

同じ量を食べても「太りやすい」と感じる背景には、体温・活動量・睡眠質の微妙な低下が重なっていることがあります。

夜更かしや運動不足により消費エネルギーが減ると、差分が体重の上昇として表れやすくなります。

ここでのポイントは、「減らす」よりも「整える」

食事量を極端に削るのではなく、生活リズムを微調整してバランスを回復させることが鍵です。

2. PMS期に食欲が増えるメカニズム

「食欲が止まらない」「甘いものが無性に欲しくなる」。

この変化は意志の弱さではなく、脳と体の自然な反応です。

仕組みが分かれば、対処はもっとやさしく、現実的になります。

セロトニン不足と甘い物欲求

黄体期は気分が揺れやすく、満足感に関わる神経伝達物質セロトニンの働きが弱まりがちです。

すると、短時間で満足感を上げやすい糖質に手が伸びやすくなります。

ここで大切なのは「我慢」よりも「置き換え」。

カカオ70%以上のチョコレートを小分けにする、ヨーグルトにバナナを添えるなど、甘さ+たんぱく質・食物繊維の組み合わせを意識すると、満足感の持続が変わります。

血糖値の乱れによる空腹感

精製された白い炭水化物や砂糖が中心になると、血糖値は急上昇・急降下を繰り返します。

急降下は強い空腹感とだるさを招き、「さっき食べたのにまた食べたい」状態に。

主食を玄米・オートミール・全粒粉パンに一部置き換え、食事の最初にサラダやスープで食物繊維を入れることで、血糖値の波をゆるやかにすることができます。

ストレスによる高カロリー嗜好

仕事や家事の負担が重なると、即効性のある快感を求めて脂質と糖質が豊富な食品に偏りやすくなります。

完全排除は現実的ではないため、「量の見える化」と「時間のルール化」が有効です。

ポテトチップスは小皿に一回分だけ出す、アイスはミニサイズを常備する、夜は22時以降の間食を控えるなど、行動の仕組みで衝動をやさしく受け止める工夫を取り入れましょう。

3. 生理前ダイエットの考え方

「痩せ期」「太り期」を理解して計画を立てると、心理的ストレスが減り、継続しやすくなります。

黄体期(生理前)は、体重キープを第一目標に据え、体調に合わせた微調整で十分です。

「痩せ期」と「太り期」の違いを理解する

生理後〜排卵期は比較的動きやすく、食欲も安定しやすい時期です。

一方、生理前はむくみと食欲が増えがち。

したがって、減量は生理後に、維持は生理前にと役割分担をするだけで、無理な我慢や自己否定が減ります。

生理前は「維持」を目標にする

黄体期に過度なカロリー制限を行うと、反動でドカ食いしやすく、気分の落ち込みも強くなりがちです。

目標は、1日の総摂取量を普段比で±5%程度に収めること。

量より質を整え、間食や外食の選び方を工夫していきます。

一時的な体重増加に振り回されない

朝夕で体重が1kg前後変動することは珍しくありません。

比較すべきは「昨日」ではなく、「生理後1週間の平均」です。

週平均で緩やかに横ばいなら、黄体期の増加は想定内。

焦りを手放すだけで、食欲の暴走を予防できます。

4. PMS期におすすめの食事調整法

黄体期(PMS期)は「制限」よりも「調整」。

食べる楽しみを残しつつ、血糖値の波と水分滞留を穏やかにすることが狙いです。

以下の工夫を、無理のない範囲で取り入れてみてください。

低GI食品で血糖値を安定させる

主食のうち一食だけでも、玄米・雑穀米・オートミール・全粒粉パスタに置き換えると、空腹の急襲が和らぎ、間食の量が自然と減る傾向があります。

白米を全てやめる必要はありません。

続けられる頻度で十分です。

たんぱく質と食物繊維で満腹感をキープ

鶏むね・卵・豆腐・納豆・ギリシャヨーグルトなど、手に取りやすい食材を常備し、毎食にどれか1品を足します。

野菜は生にこだわらず、冷凍野菜やカット野菜、スープ用ミックスを活用して「準備の手間」を最小化。

手間が少ないほど、継続しやすいからです。

塩分控えめでむくみ予防

外食や加工食品は便利ですが、塩分が高くなりがち。

味の濃さを「香り」と「酸味」で補うと満足度を保ちやすく、むくみの悪化を防げます

胡椒・ハーブ・レモン・酢・柑橘果汁を活用しましょう。

「甘さ+栄養」のある間食を選ぶ

完全に甘いものを断とうとすると反動が大きくなります。

干し芋+ナッツ、りんご+ピーナッツバター、ビターチョコ+ヨーグルトなど、糖質にたんぱく質・脂質・食物繊維を組み合わせることで、満足感が続きやすくなります。

5. 生理前・生理中の食欲コントロール習慣

食欲は完全に消そうとすると反動が大きく、かえって食べ過ぎにつながります。

PMS期は、「食欲をゼロにする」のではなく「暴走させない」ことが現実的で効果的なアプローチです。

食事時間と間隔を一定に保つ

食事時間が不規則だと血糖値が安定せず、空腹感が強くなります。

朝・昼・晩をほぼ同じ時間にとるだけで、間食の量は自然に減ります。

例えば、朝食を7時台、昼食を12時台、夕食を19時台と固定し、長時間の空腹を作らないことが重要です。

どうしても食事が遅れる場合は、バナナやプロテインバーなど軽い補食を挟むと、次の食事での食べ過ぎを防げます。

温かい飲み物で満足感を高める

温かい飲み物は胃を温め、満腹中枢を刺激して食欲を落ち着かせる効果が期待できます。

特にPMS期は、ハーブティーやカフェインレス紅茶、具沢山のスープなどを取り入れると、心も体もほっとします。

甘い物が欲しくなったら、まず温かい飲み物をゆっくり飲み、5分待ってから再度自分の食欲を確かめる習慣を持つと、不要な間食を減らせます。

小分けおやつで食べ過ぎ防止

大袋のお菓子やアイスをそのまま食べると、自分がどれだけ食べたか分からなくなりやすいものです。

PMS期は特にこの傾向が強まります。

小分け包装の商品を選ぶ、または自分で小袋に分けて保存しておくと、「これで終わり」という区切りができ、量をコントロールしやすくなります。

6. PMS期に適した運動

運動はカロリー消費のためだけでなく、気分やホルモンバランスを整える効果もあります。

PMS期は体が重く感じやすいので、無理のない範囲で続けられる運動を選びましょう。

ストレッチやヨガで巡りを整える

PMS期は血行が滞りやすく、冷えやむくみを感じやすくなります。

朝の軽いストレッチや就寝前のヨガは、体の巡りを促進し、むくみや張りの緩和に役立ちます。

特に骨盤周りをほぐすポーズは、下半身の重だるさを軽減します。

軽い有酸素運動で気分と血糖値を安定

ウォーキングや軽いジョギングは、セロトニン分泌を促し、ストレスによる食欲増加を抑える効果があります。

息が弾む程度のペースで20〜30分行うのが理想です。

天候が悪い場合は室内ステッパーやオンラインのエクササイズ動画も活用できます。

筋トレは軽めに負荷調整

黄体期は高強度トレーニングよりも、フォーム重視で軽負荷の筋トレが適しています。

スクワットやプランクも回数を減らし、体に過剰な疲労を残さないよう注意します。

7. 気分と食欲を整える生活習慣

PMS期は心身のバランスが崩れやすく、ストレスが食欲増加の引き金になることも多いです。

生活習慣の質を整えることは、間接的な食欲コントロールにつながります

十分な睡眠でホルモンバランスを保つ

睡眠不足は食欲増進ホルモンのグレリンを増やし、満腹ホルモンのレプチンを減らします。

PMS期は特に、1日7時間以上の質の高い睡眠を確保しましょう。

寝る前のスマホ使用を控え、室内を暗く静かに保つことがポイントです。

入浴でむくみと冷えをケア

ぬるめのお湯(38〜40℃)に15分程度浸かると、血流が促進され、体の冷えとむくみの軽減につながります。

入浴後にストレッチを組み合わせると、より効果的です。

趣味やリラックス時間でストレスを軽減

ストレスはPMS期の食欲を一層高めます。

読書、音楽、アロマ、軽い散歩など、自分に合ったリラックス法を持つことで、食べ物以外の方法で心を落ち着ける習慣が身につきます。

8. 体重増加を気にしすぎないためのマインドセット

PMS期の体重増加は、多くの場合一時的な水分や消化物の増減によるものです。

にもかかわらず、毎日の数字に振り回されてストレスをためると、逆に食欲や代謝にも悪影響を及ぼします。

ここでは、心を軽くする考え方と行動を紹介します。

数字よりも体調や気分を重視する

体重計は客観的な指標ですが、数字だけが健康や美しさを示すわけではありません

むくみや便秘で一時的に増えていても、体が重くない、睡眠がよく取れている、肌の調子が良いなど、他の指標も大切にしましょう。

毎日ではなく週1回程度の計測でも十分です。

「生理後」に戻る体重を目安にする

PMS期の増加は、生理が始まって数日〜1週間程度で解消することが多いです。

生理後1週間の平均体重を自分の基準にすると、黄体期の増加に過剰反応しなくなります。

無理な食事制限は逆効果になる理由

極端なカロリー制限は、ホルモンバランスや代謝を乱し、PMS症状を悪化させる恐れがあります。

「減らす」より「整える」意識を持ち、量より質を調整することが長期的な安定につながります。

マインドセットを整えるための具体的行動例

  • 朝起きたら「数字」ではなく「体の感覚」をチェックする
  • 生理前は体重記録アプリの数字に「黄体期マーク」をつけて比較対象を分ける
  • 鏡での見た目や服のフィット感を基準にする
  • 友人や家族と健康的な習慣をシェアして、心理的な支えを作る

9. まとめ|PMS期を理解して健康的に過ごす

PMS期の体重増加や食欲増加は、体の自然な周期による一時的な現象です。

これを「異常」や「失敗」と捉えるのではなく、「今の自分の状態」として受け止めることが、心身の安定とダイエット継続の鍵になります。

  • 生理前・生理中の体重増加は水分・便秘・ホルモン変動によることが多い
  • PMS期は「食欲ゼロ」を目指さず、食欲を暴走させない工夫が重要
  • 「痩せ期」と「太り期」を理解して計画を立てると無理なく続けられる
  • 数字よりも体調や気分を重視し、長期的な視点で体型管理を行う

すぐに実践できるチェックリスト

  • 食事時間を毎日おおよそ同じにしている
  • 間食は小分けにして食べる
  • 温かい飲み物を習慣化している
  • 週1回は軽い有酸素運動を行っている
  • 睡眠時間は7時間以上を確保している
  • 生理後の平均体重を基準にしている

PMS期は食欲や体重変化への不安が強まりやすい時期ですが、自分の体のサイクルを理解し、無理のない範囲で工夫することで、心地よく過ごせるようになります。

完璧を目指すよりも、少しずつ調整していくことが、健康的なダイエットの近道です。

FAQ|PMS期の体重増加・食欲増加とダイエットに関するよくある質問

Q1. 生理前に体重が2〜3kg増えるのは普通ですか?

A1. はい、生理前の体重増加は多くの場合、水分や消化物の滞留による一時的な現象です。

むくみや便秘、ホルモンバランスの変化が原因で、体脂肪が急激に増えたわけではありません。

生理後1週間ほどで自然に戻ることも多いので、過度に心配する必要はありません。

Q2. PMS期の食欲を抑えるにはどうすればいいですか?

A2. PMS期はセロトニン不足や血糖値の乱れで食欲が増えやすくなります。

低GI食品を取り入れる、食事時間を一定に保つ、温かい飲み物で満足感を高めるなどの方法が有効です。

我慢よりも、食欲の波を穏やかにする工夫がポイントです。

Q3. 生理前でもダイエットを続けるべきですか?

A3. 生理前は減量よりも「現状維持」を目標にする方が現実的です。

無理な食事制限は反動で過食や気分の落ち込みを招く可能性があるため、食事の質や生活リズムを整えることを優先しましょう。

Q4. 外食が多い時のPMS期の体重対策はありますか?

A4. 外食では塩分や糖質が高くなりがちなので、汁物は残す、野菜料理やたんぱく質メニューを多めに選ぶなどの工夫が有効です。

アルコールや揚げ物は控えめにし、翌日の食事で野菜や水分を多く取ると、むくみの軽減につながります。

Q5. 生理前のむくみはどうやって解消できますか?

A5. 塩分控えめの食事、十分な水分補給、軽い運動や入浴が効果的です。

カリウムを多く含むバナナやアボカド、利尿作用のあるハーブティーもおすすめです。

無理な断食や過度な運動は避け、自然な代謝促進を意識しましょう。

Q6. 生理中の運動は避けた方がいいですか?

A6. 体調が良ければ軽い運動は可能です。

特にストレッチやヨガ、軽い有酸素運動は血流を促進し、むくみや気分の落ち込みの軽減につながります。

ただし、体調が優れない場合は無理せず休養を優先してください。

Q7. 生理前・生理中に甘い物をやめられません

A7. 完全にやめる必要はありません。

ビターチョコやドライフルーツ+ナッツなど、甘さと栄養を両立する間食に切り替えることで、満足感を得ながら食欲をコントロールできます。

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